熊野の森再生事業がSDGs認定を受けました―株式会社中川
熊野(和歌山県田辺市)の企業と協力し、次世代へ豊かな森を残していくプロジェクト「熊野の森再生事業」がSDGs認定を受けました。
このプロジェクトは、熊野(和歌山県田辺市)地域と森林を守る森再生事業です。地域と森林の保全に賛同する企業が地元の耕作放棄地で苗木を育成し、育った苗木を当社が買取るシステムです。その苗を賛同企業と共に熊野の山に植栽します。管理は当社が行い、苗木のもとになるどんぐりは地域の子どもたちと拾うという森林再生サイクルです。当社はこのプロジェクトにより継続的に苗木の確保ができます。賛同企業は苗木を当社に販売することで利益を得られるほか、緑化事業に参入することもできます。地域の森林は復活し、子どもたちにとっては森に関わる機会(木育)になります。熊野の森再生事業は、地域の人々が地元の森林に関心を持ち、長く愛し、みんなで森を育てていくプロジェクトなのです。
このプロジェクトを立ち上げた背景には、和歌山県田辺市内で伐採後植栽されない山林が増加しているということがあります。森林は水源涵養機能や土砂流出防止機能、大気保全機能等、地球環境保全に関わる重要な機能を有しています。植栽されず、伐採された状態の山林が増加すると、これらの機能が低下し、災害発生や川の水の減少、大気汚染等に繋がります。しかし、企業が緑化事業に参入したくても、企業の費用負担が大きく参入が難しい状態にあります。
森林という地域に大きく関わるこの問題の解決には地域の協力や理解も必要です。そして、協力や理解を得るためには森林と地域住民の接点が必要です。
一方で、熊野地域では耕作放棄地の問題を自治体は抱えています。弊社は育林事業を行っていますが、植栽に使用する樹木苗の県での生産が低下しており、将来的に確保が難しくなると予測されます。育苗に十分活用できるの耕作放棄地があるならば、そこで育苗ができれば、一石二鳥!これらすべての問題を解決すべくこのプロジェクトが誕生しました。
SDGsとは、持続可能な開発目標のことで、2001年に作成されたミレニアム開発目標の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい政界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。(外務省HPより引用)。
森林は我々の豊かな生活を維持するうえで様々な役割を担っています。きれいな水や空気を生み出し、山林から採れる木材は人々の生活に欠かせないものです。林業は世界において重要な産業です。このように多面的な機能を持つ森林・また林業を健全にしていくことはSDGsを達成するために重要です。
一般社団法人日本SDGs協会は、様々な持続的な取組を行う企業やプロジェクトをSDGs認定しています。今回当社の企業の森再生事業はこの認定を受けました。私たちは今後も豊かな森を熊野のこどもたちに残すため、取組を広げていきます。