苗木をどうやって育てているの?

2020年12月24日 allニュースブログ

株式会社中川では耕作放棄地を利用し苗木を生産しています。この度、補助事業を使い、苗畑の整備を行ったので、この機会に苗木をどう育てているのかについてご紹介したいと思います。

 

当社では植栽(山林に木を植えること)をする時に使用する苗木を、地元の山林でどんぐりを拾うことからスタートし、コンテナ苗として育てています。コンテナ苗というのは、近年導入された造林(木を植える)用の育苗技術です。苗の活着率(植えた後に根っこが地面にきちんとくっつく割合)がいいことや植栽の工程を効率よくできるなど、造林コストの削減を見込めることから期待されている技術です。

私たちは活動拠点である和歌山県田辺市の地域の問題解決にも貢献したいと考え、耕作放棄地を利用してコンテナ苗施設をつくりました。

 

コンテナ苗施設はこのような更地や耕作放棄地に作ります。

更地や耕作放棄地にビニールシートを敷き、ポールを立てます。

立てたポールにコンテナを設置します。このコンテナの中で育てるので、コンテナ苗といいます。

以上で施設の設置は完了です。苗が育つとこのような風景になります!当社では田辺市内に3か所苗畑を所有しています。

 

今回はよりコンテナ苗での育苗を効率化するために潅水装置を設置しました。

 

コンテナ苗施設ではスギやヒノキも育てていますが、地元の名産品である紀州備長炭の原木であるウバメガシやアラカシなどの広葉樹も育てています。どんぐりは地元の山林から作業員や地域住民のみなさんと拾い、発芽させ、約2年かけて苗木にします。

発芽したどんぐりです。夏は1日に2回、それ以外の時期は1日に1回水をまき育てます。潅水装置を設置することにより、その水まきの工数を削減できます。

定期的に草引きをし、苗木が健康に育つような環境を整えます。

発芽してしばらく経過するとウバメガシらしい葉っぱが現れました。成長が遅い場合は栄養剤を散布します。

約2年育てたウバメガシの苗木です。このようになると山林に植栽できる苗木になります。

現在コンテナ苗での得苗率は80%、生産量はスギ33,410本、ヒノキ41,980本、ウバメガシ9,040本(R1年実績)です。成長が遅い個体に関しては、2年で植栽せず十分な高さになるまで育てる場合もあります。

 

現在、当社は苗木の販売はしていないのですが、自社で生産した苗木を主要事業である植栽の際に使用します。こうすることで苗木不足等が起きても対応できるようにしています。

 

本日はコンテナの苗木についてのご紹介でした!

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