機械が獣害防護柵を運ぶ!林業資材運搬型ドローン「いたきそ」

2020年6月23日 ALL ブログ

2018年に上道キカイ株式会社様と共同開発した林業資材運搬型ドローン「いたきそ」の安全かつ効率的な運用の構築に向けて、当社外部顧問であるATOP合同会社代表社員の仲貴平様を講師としてお招きし、ドローンの安全な運用及び操縦技術向上を目的とした社内研修を開催しました。


今回の研修現場は植栽3年生 の山林。 その頂上に獣害防護柵(植栽した苗木をシカ等の食害から守るため、植栽地を囲うネット仕様の柵)の資材を運搬しました。




当社の事業は、造林(山に苗木を植栽する仕事等)に特化しています。その中で、一番の問題は、植栽した苗木が、シカ等に食べられてしまう「獣害」です。そのため、獣害から苗木を守るため、獣害防護柵を設置する必要があります。しかし、獣害防護柵の資材を山林に運搬するという作業がとても重労働であるという課題を抱えています。






和歌山県の山林は30度を超える急傾斜が多く、そんな厳しい条件の中で、資材を背負って何往復も登り下りする事はとても大きな負担です。例えば、ネット1枚(50m)で約10kgですから、いかに社員の負担が大きいかお分かりいただけると思います。「この負担を軽減して欲しい!」という社員の要望に応えるため、2019年、上道キカイ株式会社様と共同で林業資材運搬型ドローンの開発に取り組みました。



現在、完成した林業資材運搬型ドローン「いたきそ」を現場に導入し、獣害防護柵の資材や苗木を運搬していますが、安全かつ効率的に取り組むため、ドローン運搬業務の運用体制を社員全員で検討し、構築する必要があります。また、ドローンの重量は約15kg(バッテリーを含む)、サイズは直径約1mもあり、万が一操縦を誤り、落下させてしまうと大きな事故にに繋がるため、社員の安全意識と操縦技術を向上する必要があります。

そのため、安全かつ効率的に、社員全員がドローン運搬業務に取り組めるよう、今回、社内研修を行いました。



安全にドローンを扱うため、まずは、チェックリストでドローンの周辺機器がすべて整っているか、また異常がないかを確認します。その後、点検簿に基づき、ドローン本体やバッテリー等の異常の有無を確認します。異常がないことが確認できれば、次に、ドローンを起動させ、プロペラの動作やホバリング等の操縦性に異常がないかを点検します。

点検によりドローンに異常がなければ、荷出側と荷受側に分かれます。操縦は2オペレーションを採用しているため、荷出側と荷受側がそれぞれドローンを操縦することが可能です。山林の中でドローンを飛ばすと、機体と荷下ろし地点との距離感が失われ、作業の安全性を損なうおそれがあるため、荷出側と荷受側それぞれにドローン操縦者を配置し、途中で操縦者を切り替えることで、作業の安全性を確保しています。









林業資材運搬型ドローン「いたきそ」は、約10kgまでの重量物を運ぶことが可能で、運搬距離が300mの場合、2分程度で往復することが可能です。さらに飛行したドローンの安定性を保つため、プロペラが6枚仕様となっており、非常に高い性能を備えています。この高い性能に甘んじることなく、ドローンを扱う社員の意識と技術の向上に取り組んでいくことが重要であると考えています。
他にもいくつか工夫している点があるのですが、それはまたの機会にご紹介したいと思います。

仲様による指導の下、ドローンを安全に飛行させるための基本操作や操縦を切り替えるタイミングを練習しました。


当社のドローン運搬業務は、まだ始まったばかりです。社員の操縦技術にも差があり、ベテラン社員が背負って運ぶ方が早い場合もあるなど、引き続き、問題点や課題点を社員全員で検討・共有、安全かつ効率的に業務が行えるよう取り組んでいきます。このように工夫や練習を積み重ね、社員がより働きやすい環境を目指していきたいと思います。

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